4.パン屋でありながら、地域の方が集える場所にしたい。

昔はカフェだったので、コンサートなどをやっていました。陶芸しかやっていなかった時は、陶房コンサートと名付けて、プロの演奏家をお呼びして開催していました。カフェを始めてからもお店でお食事をしながら演奏を聴くことが出来る、クラシックコンサートやジャズライブを行っていました。他には老人ホームと提携をして、普段気軽に外出ができない入所者さんをカフェでおもてなししたりと、コロナ前は多くのイベントを行っていました。コロナ禍になってからは、出来るイベントが制限されていく中で本屋さんと提携し、多くの方に海外の絵本に触れていただける、ブックフェアを行いました。絵本というと子どもが対象に感じる方が多いですが、海外の絵本は戦争などの内容もあり、筆者から大人へのメッセージもきっとあると思います。ぜひ大人の方にも見ていただきたいです。今では店内に洋書絵本を常設するようになったので、お客様に見ていただく機会が増えて嬉しいです。

Ke-yaki 「陶芸コンサート」富川勝智さん(ギター)、高橋明日香さん(リコーダー)2015年4月26日の様子。
※写真提供Ke-yaki Kitchen

今行っているイベントの一つである、音楽療法は日本ではあまり浸透していなくて、先生がいて、ピアノ弾いて、みんなで歌ってというイメージが大きいみたいです。ドイツ音楽療法は音で自分を表現するものなんです。ドイツでは音楽療法は、医療としても使われているようです。音楽療法が昔から気になっていて、色々な国がそれぞれの療法を行っている中で、ドイツは何を行っているんだろうと気になって調べたところ、『ドイツ音楽療法センター』という施設が日本にあることを知りました。お話をお伺いしたところ、ご協力いただけることになり、ドイツ音楽療法を地域の方に紹介できるように色々試行錯誤しながら、センターの方と一緒に行っています。子育て中のお母さまや、若い男性の方など老若男女問わず色々な方に来ていただけるようなイベントにしたいと考えています。やはり一人で悩むのが一番苦しいと思うので、ただのパン屋ではあるのですが、集いの場として皆さんに親しんでいただけるようにしたいと考えています。音楽ができないとだめということもないので、少しでも気になる方がいたら気軽に来てくださると嬉しいです。

多くの方に海外の絵本に触れて欲しいと話すケーネンご夫妻。日本には日本の、海外には海外の絵本の良さがあるそうです。

ドイツ音楽療法センターのチラシ
開催日時：毎月第1週、第3週の水曜日　午後2時～(90分)