STORY
ストーリー
ボクのヒロインになってください!
小学6年生の内気な映画好き男子・陽太は、同級生の女子・明日香にひそかに想いを寄せていた。そんな明日香が急に引っ越すことが決まり、動揺を隠せない。
「そうだ、彼女をヒロインにした映画を作ろう!」
思い立ったものの、インキャな彼をサポートしてくれる友達はいない。映画好きな担任の土方や陽太の兄が相談にのってくれて、気づけば、ちょっとキャラ強めではあるけれど、愉快で才能に溢れた同級生5名が仲間になっていた。つまずきながらも、スマホアプリやSNSなど令和テクノロジーを駆使して撮影は進んでいく。しかし子供だけでの撮影は危ないと親たちの妨害や事故が発生してしまい・・・。映画を完成させて、初恋の明日香を笑顔にすることはできるのだろうか?
『ラストサマーウォーズ』完成披露舞台挨拶オフィシャルレポート
映画「ラストサマーウォーズ」完成披露舞台挨拶が14日、埼玉・入間市産業文化センターで行われ、俳優でタレントのデビット伊東、女優の櫻井淳子、入間市長の杉島理一郎氏、メガホンをとった宮岡太郎監督が登壇した。
本作を制作したきっかけを尋ねられた宮岡監督は、昨年の5月頃に杉島市長や入間市から「何か入間で文化的な事業をやりたい」と声をかけられたことを明かし、「僕は入間市の仏子出身になるんですけど小学生のときから映画監督になりたくて、親のハンディカムをくすねて友だちと裏山で撮影をしていたんですね。そんな映画撮影ごっこをしていた思い出が蘇ってきて、その経験を映画にして、入間のご当地映画と呼べるものを作りたいとそこで芽生えて、いろいろな方に呼びかけて企画を立ち上げたところ、市長をはじめ、市の方々から『やりましょう』と言っていただいて、企画がスタートしました」と説明した。
入間市を舞台とした映画の企画が進行している状況を、どのような思いで見守っていたかと聞かれた杉島市長は「最初は『入間を盛り上げることをしようよ』って2人で話をして、だんだん仲間が集まってきて、いつの間にかラフな脚本まで書いてきてプレゼンをしていただいて、入間を舞台にした、しかも子どもたちが主役で、入間の風景がたくさん映る映画ができたら、それは夢だよねって夢を語り合ったことがスタートだったので、まさに今日、夢がかなったなという印象です」と感慨深げに語った。
そんな杉島市長は、本作にも出演しているが、自身の演技をスクリーンで見ての感想を求められた杉島市長は「前市長が舞台に上がられているのをよく見ていたので、前市長に演技指導を受ければよかったなと思いました」と吐露して観客を笑わせ、杉島市長の演技について宮岡監督は「テレビドラマや映画の仕事をしていてよく言われるのは、通説として“空手の経験者はお芝居がうまい”という話をよく聞いていて、杉島市長は高校時代に空手をやられていて、カメラを回したときにちゃんとお芝居できてるという印象がすごくあって、個人的には100点です」と太鼓判。撮影はテンポよく行われたそうで、杉島市長は「俳優じゃないんですけど、気持ちを作りたかったなというのはありました」とコメントして会場を沸かせた。
また、主人公・陽太(阿久津慶人)の父親を演じる伊東と、母親を演じる櫻井はともに埼玉県出身で、伊東は入間市で過ごした時間も長いそうで、地元を舞台にした映画に参加した感想を聞かれると、伊東は「やっときましたかって感じです。入間市で撮影できるのは最高じゃないですか。僕は芸能生活35年以上になりますけど、何回考えたか。『入間市ってどこ?』って聞かれちゃうんだから。こういう形で世の中に発表できることは嬉しいです」と喜び、オファーが来た際の様子については「台本が来る前にOKしました。台本が来て『この台本じゃちょっと…』って言いました」と冗談を言うと、同じ質問に、櫻井は「やっぱり嬉しいですよね。私は鶴ヶ島市出身なんですけど、撮影中は実家のほうから通っていたので、“ここ懐かしいな”って思って嬉しかったです」と声を弾ませた。
さらに、子どもたちの笑顔や葛藤が心に残る本作だが、子どもたちと共演しての感想を聞かれると、櫻井は「元気いっぱいだったので楽しかったですね。子どもたちが集まれば私は子どもたちのお母さんみたいな気持ちで遠くから見つめていたんですけど、とても礼儀正しくて一生懸命にやる子だなと思いました」とにっこり。続けて、子どもに厳しい母親を演じた櫻井は、自身と重なる部分はあったか尋ねられると「実はダブるところがたくさんあるんです。私も3~4年前までは子どもに対して『あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ』って厳しく育ててしまって、ストレスを与えすぎちゃったなって振り返るときがありまして、共感するところがいっぱいあったのでやりやすかったです(笑)」といい、宮岡監督は「子どもへの愛情が伝わってきて、守りたいという思いがすごくあって、最後は見守るほうへ変化するといういいお芝居をしていただきました」と絶賛した。
一方、伊東は「監督には申し訳ないんですけど、僕は子どもたちと遊んでいる記憶しか残っていないんです。僕たち役者はパッと親子や兄弟にならなきゃいけないので、なるべく早くと思ってずっと遊んでいたんです。そうしたらいつの間にか本番が終わって、“あれ?台本通りセリフ言ったっけな?”って。で、台本を見直したら僕、(台本通り)セリフ言ってないですよね」と宮岡監督に投げかけ、これに宮岡監督は「そういうシーンも…はい」と苦笑したが、伊東のアドリブがいい方向に転んだようで「食卓のシーンとか、“台本のどこをやっているんだ?”ってことが何度もありましたが、すごくいい雰囲気のシーンができたなと思います」と感謝。しかし、櫻井は「ついていくのが大変でした」とクレームを入れて笑いを誘っていた。
そして、本作にちなみ、夏休みの思い出を尋ねられた櫻井は、毎年、新潟の海に行っていたことを回顧し「父親と一緒に海に入っていて、空気が入っているボートに乗っていたときに波が来てひっくり返っちゃったんです。上だか下だかわからない状態で溺れてるのに、父親が助けてくれなくて、やっと助けられてゴホゴホ言って『海なんて嫌いだ』って言っている思い出しか残っていないです」と苦い思い出を明かした。
映画『ラストサマーウォーズ』は、6月24日(金)よりユナイテッド・シネマ入間にて先行公開、7月1日(金)より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開。
先行公開記念舞台挨拶
映画『ラストサマーウオーズ』公開記念舞台挨拶が25日、埼玉のユナイテッド・シネマ入間で行われ、主演の阿久津慶人、共演の井上小百合、長妻怜央(7ORDER)、デビット伊東、櫻井淳子が登壇した。
本作は、狭山茶の主産地として有名な埼玉県入間市を舞台に、小学6
年生の映画好きな男の子が、想いを寄せる女の子の引越しが決まったことをきっかけに、彼女をヒロインにした自主映画作りをスタートさせようと奮闘する青春ジュブナイル映画となっている。
主人公の宮竹陽太役を演じる阿久津は、オーディションで主演が決定した際の様子を聞かれると「今まで主役とかやっていなかったので“やりたいなあ”と思っていて、このオーディションを主役で受けて、家に帰って『合格しました』って言われたときは、初めての主役で、しかも映画ということでめっちゃ嬉しくて、叫び回って発狂して失神しそうになりました」と打ち明けて観客を笑わせ、本作の内容と同様に、もし自分が映画を撮るならどんな作品を撮りたいか質問されると「大人でも怖がるようなめっちゃ怖いホラー映画を撮ってみたいです」と意外な答えをして驚かせた。
また、地元・埼玉県出身の土方先生役を演じる井上、陽太の父・宮竹宏役を演じる伊東、陽太の母・宮竹晴子役を演じる櫻井の3
人は、出演オファーを受けた際の心境を尋ねられると、井上は「めちゃめちゃ嬉しかったです。地元に貢献できるというのと、出身が同じ方々と一緒にお仕事ができるというのが嬉しかったです」と声を弾ませ、伊東は「ふたつ返事ですぐ答えました。ただ内容を見て“ちょっと違うんじゃない!?”って。お父さん役なんだと思って…」と少し不満げ!?な様子。櫻井は「もちろん嬉しかったんですけど、私は鶴ヶ島市出身なので、“入間市出身じゃないのに大丈夫かな”とは思いました。でも呼んでいただけてありがとうございました」と笑顔を見せた。
そして、陽太の兄・宮竹匠役を演じる長妻は「映画というものにほとんど携わってこなかったんですけど、埼玉の作品ということで、茨城代表として来させていただきました」とコメントし、伊東から「それは別に言わなくていいと思うよ」と突っ込まれたが、長妻は「すごく温かい方ばかりで、茨城代表としては…(笑)。ありがたく歓迎していただきました」とボケを重ねて笑いを誘った。
さらに、撮影時の思い出を聞かれると、井上は「阿久津くんは最初、人見知りなのかなと思ったんですよ。リハのときから寡黙で、“小学生なのに大人っぽくてしっかりしているな”と思ったんですけど、意外とロケバスの中とかでゲームの話で盛り上がっていたり、『これあげる』って言って『はい、ゴミ!』みたいなことをしてきて、“ちゃんと子どもなんだ!”って思いました。一緒にお弁当を食べたりした時間が楽しかったです」と目を輝かせ、伊東が「先生のこと、ちょっと下に見てたでしょ」と声を掛けられた阿久津は「ちょっとしたいたずら心です」と答えた。
同じ質問に、長妻は「家族団欒のシーンがあったんですけど、僕は大人になってから1
人暮らしをしているので、久々の団欒で嬉しかったんですよね。お芝居されているデビットさんと櫻井さんがあまりにも自然すぎて、本当に家族のような気持ちになってちょっと嬉し涙が出そうでしたね」と感慨深げに語ったが、櫻井は「(家族みんな)よく喋っていましたね。ただ3
人がよく仲良く喋っていて、私だけ1人ぼっちなイメージがあります」と口をとがらせた。
本作の内容にちなみ、夏休みの思い出や、子どもの頃の自分に声をかけられるならどんな声をかけたいか質問されると、井上は「私は男兄弟で育ったので、とにかく夏休みが大好きで、ずっと外で遊んでいたんです。なので『もっと勉強頑張れ!』って言いたいです(笑)。もうちょっとやっておけばよかったなと思います」と苦笑。
長妻は「上半身裸で遊んでいたんですけど、蚊に背中を冗談抜きに100か所くらい刺されて、そこから蚊がどうしても嫌いで、蚊を見たら絶対に倒そうという気持ちなんですけど、それがなかったらもうちょっと心優しくいられたのかなと思います」とエピソードを明かし、撮影中に阿久津ら子役たちと虫取りをして遊んでいたそうで「カマキリとかをみんなで捕まえましたね。僕も田舎っ子だったので、そういう遊びをしていました」とニッコリ。伊東から「カマキリは大丈夫なの?」と声をかけられると、長妻は「カマキリは大丈夫ですけど、蚊はちょっと…」と眉をしかめ、伊東は「思い出させちゃったね。ごめんなさい」と謝罪した。
最後に、締めのコメントを求められた阿久津は「僕たちが頑張って9月の猛暑に作ったので、この舞台挨拶を機にSNSなどで拡散していただいて、いろんな人に知ってもらえたら嬉しいです」とお願いし、井上は「この映画は子どもたちが夢を追いかけて頑張る姿が素敵なんですけど、映画を撮影している子どもたちと、役の子どもたちがリンクしていて、今日、撮影ぶりに再会したんですけど、みんな身長が伸びていて、成長していて、担任の先生の気持ちで“みんなが夢に向かって現実世界でもお仕事して頑張っているんだ”と思うとグッとくるものがありました。皆さんにとってもこの映画でちょっとでも心にグッとくるものがあって、“頑張ろうかな”と思ってくださったら嬉しいです」とアピールした。