郷愁漂うスクリーン内。どこか懐かしく心地の良い空間です。
ロビーからホールの壁一面にはサイン色紙がズラリ。前述した是枝監督や、「この世界の片隅に(2016年)」を手掛けた片渕監督、映画評論家の町山智浩さんなど、多くの著名人が訪れています。
映画鑑賞がもたらす影響、教養や感性
飯島さん 私自身、勉強のつもりで映画鑑賞をしている訳ではありませんが、振り返ってみればかなり影響されていると感じますね。ここ(川越スカラ座)で働くようになってからはドキュメンタリー映画を観る機会が多くなったのですが、映画を楽しんでいるうちに自然と知識が身に付いているような。すごく勉強になると思います。
郷愁漂うスクリーン内。どこか懐かしく心地の良い空間です。
舟橋さん もちろん人によると思いますが、少なくとも学生の頃から映画鑑賞が日課となっている私や飯島はかなり影響を受けていると思いますね。
飯島さん 例えば世界情勢のニュースを見ていてもあまりピンとこないことが、パっと頭に入ってくるようになりますね。最近「娘は戦場で生まれた(2019年)」というシリア内線のドキュメンタリー映画を上映していたのですが、悲惨な現状がありありと伝わってきましたし、他のシリア映画も観てみようという気持ちにもなりました。映画を通じて知識が身に付き、新たな価値観が生まれることもあります。
また、教養といえば以前、とある高校で「英語でも日本語でもない映画を観る」という課題が出されたみたいで、丁度その時当館でフランス映画を上映していたというのもあって、学生が60人ぐらい押し寄せてきた時がありましたね。
舟橋さん 戦時中の広島県呉市が舞台となったアニメーション映画「この世界の片隅に(2016年)」を上映した時にも似たような事がありましたね。広島への修学旅行の予習の為に高校生が大勢いらっしゃいました。
ロビーからホールの壁一面にはサイン色紙がズラリ。前述した是枝監督や、「この世界の片隅に(2016年)」を手掛けた片渕監督、映画評論家の町山智浩さんなど、多くの著名人が訪れています。
飯島さん また当館は毎年中学生の職場体験を受け入れているのですが、生徒さんにはその時に上映している作品を必ず鑑賞していただくようにしています。昨年上映していた作品はLGBTや発達障害というテーマでした。正直中学生には難しいかなとも思いましたが、大人になってから「そういえば昔こういう映画を観たな」なんて記憶が蘇る時があるんですよね。川越スカラ座のような一見変わった映画館での職場体験とともに記憶に残ると思います。多様化が進む現代社会において、いろんな価値観や考え方をなんとなく知っているというだけでもプラスになるのではと思います。