2.ワイン専門店としてのスタート

学校の仲間と集まったときは「小さな酒屋が大型店に対抗するにはどうしたら良いか」を、よく話していましたね。有名なワインでも大手輸入元からまとめて購入することで安く仕入れることが叶い販売したことがありました。それがワイン専門店としての第一歩でした。その後も仲間といろんな試飲会へ出向き、美味しいワインを探すのはとても大変でしたがいい思い出ですね。そんな中、フランス大使館から「ワインの輸出がしたいという方が来日するので、ワインを探しに来ませんか？」という話が仲間の元に届いたのです。早速仲間と足を運び、何百種類ものワインを試飲した中から「これはコストパフォーマンスが良い、美味しいワイン！」を見付けることができました。それが北田屋定番のヒット商品である「シャトー・レゾリュー　赤ラベル」（赤ワイン）、「グールガゾー・シャルドネ　樽熟成」（白ワイン）です。
当時は輸入業者を通して「代行輸入」してもらっていたのですが、しばらくすると仲間が輸入免許を取り、直接仕入れができるようになりました。

初めて直輸入した「1,000円以下のめちゃめちゃ美味いワイン」を販売したところ「ワインってこんなに売れるんだ！」と驚いたのを覚えています。有名なワインでなくとも美味しければ売れる、ということを実感しました。


しかし直輸入するには資金が必要です。まだ私が20代半ばの頃の話だったと記憶していますが、「個性的で美味しいワインを、リーズナブルな価格で提供したい」という思いから、車を買おうと貯めていたすべての貯金をワインの直輸入に充てました。車を買うのをやめたのです（笑）。実はこの話が、朝の情報番組で紹介され、放映後にものすごい反響があり、注文が殺到。これが大きな転機となりました。