所沢の『人』
本当に美味しいコーヒーと
出会っていただきたい
自家焙煎コーヒー豆の販売をしております
自家焙煎珈琲 beans shop Kieido
寺内英貴さん
メキシコ・ベラクルス産、ハンドピックによって厳選された豆
1.珈琲、サイフォンとの出会い、欠点豆を見つけるまで
小学校4年生の時、自宅の台所にあった「サイフォン」に出会いました。私にとって「サイフォン」は、大好きだった「鉄腕アトム」のキャラクター“お茶の水博士”が扱う実験器具のようで「かっこいい!」「いじりたい!」と興味をかき立てられました。その後、両親から「珈琲を淹れる道具」だということを教わり、子どもながらに珈琲を淹れるようになったのです。私が淹れた珈琲を飲んで喜んでもらえることが嬉しく、またサイフォンを使うことが、それこそ実験のように思えて、どんどん夢中になっていったのを今でも覚えています。
そんなある日、珈琲豆の中に「色のきたない豆」が混ざっていることに気づきました。「何これ!」と衝撃を受け、お皿の上に豆を広げ、きれいな豆とそうでないものを選り分け、その両方で珈琲を淹れてみたのです。すると、キレイな豆は美味しくて飲みやすく、変な豆はイガイガしたような、雑味だらけの珈琲になったのです。味の違いに更に衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えています。
メキシコ・ベラクルス産、ハンドピックによって厳選された豆
子供の頃のこの体験が、Kieido珈琲のハンドピック、つまり欠点豆を取り除くという作業の原点になっています。
2.将来の夢は研究者か珈琲関連の仕事をすること
珈琲に嵌り、面白さを感じていく一方で、中学校時代に火星探査機によって撮影された火星の写真が廊下に貼りだされ、興味を持ちました。翌日、関連の本を購入したのですが、書かれている内容には中学校の教科書では出てこないようなアミノ酸、核酸、DNA等といった単語が並んでおり、まったく理解することができませんでした。
しかし高校に進学すると、最初の生物の授業で、このような単語が出てくるのです。購入した本の内容が頭の中で理解できた時、将来の夢は研究者しかない!と思うようになりました。
大学進学にあたり、理学部を目指そうと考えていました。当時はバイオテクノロジー関係の進歩が急激に進んだ時期であり、そういった分野に憧れていました。ところが、生物の先生から農学部の方が分野が広く、様々な研究が出来るという話を聞き、農学部に進むことを決意しました。
勿論、中学、高校時代ともに珈琲を淹れることや、どんな豆が美味しいのか?といった探求は継続していました。また、当時は幻の珈琲と言われていた、インドネシア・スラウェシ島で栽培される「トアルコ トラジャ」という豆が流通し始めた頃で、欠点豆が少なく美味しいことから、販売されていた銀座の明治屋まで、買いに出かけたりしていました。