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『人の輪(わ)』インタビュー

岩下祐亮さん

WELDERS DINER
(ウェルダーズダイナー)
岩下 祐亮さん

Q:クラフトビールのお店を出したきっかけは?

大学を卒業してからずっと飲食業界で働いてきたのですが、10年ほどチェーンのハンバーガー屋に勤めるうちに、いつかは自分のお店を持ちたいと考えるようになり、自分が好きなクラフトビールの世界に入っていきました。当時はクラフトビールを出すお店は少なく、各地のビアフェスに行ったり、自分でも各地のビールを買い漁ったりしていたのですが、最終的にはクラフトビール専門店に勤めて、今のお店をつくる基礎を固めました。

クラフトビールは、一回作って出荷して、また次のビールを仕込むという感じで、いつも同じビールがあるわけではありません。その時々で旬のビールを仕入れてお出しして、樽が終わったらまた違うビールをお出しするという感じで、週替わり、日替わりで、5つのタップ(注ぎ口)から各地のクラフトビールをお出ししています。鮮度が重要なので、取り扱うには基本的に冷蔵が条件となり、冷蔵庫に入る分だけしか入荷できません。それにどんどん新しいクラフトビールが出てくるので、その時々に買っておいて、そのタイミングで出せる分しか仕入れていません。コロナ化以降は、お家でクラフトビールを楽しまれる方も増えたので、お店で飲んでいただくだけでなく、国内外の様々なブルワリーの缶ビールをお店で販売もできるように、酒販の免許も取得しました。

お客様は、ご近所の方と沿線の方はもちろん、クラフトビールをメインで扱っているので、遠方からビール目当てで来られる方もいらっしゃいます。クラフトビール好きな方はフットワークが軽いので、あちこち飲みに行かれる方が多いですね。東京の東側から、わざわざ電車を乗り継いてこちらまで来られる方や、栃木からクラフトビールを飲み歩きに東京まで来られるお客様もいらっしゃいます。

WELDERS DINER内装

Q:石神井にお店を出した理由は?

このお店をオープンしたのは2017年ですが、当時は朝霞に住んでいて、鉄でオブジェや家具等を作る妻の工房も朝霞にあったこともあり、そこからなるべく近い場所での出店を考えていました。石神井公園駅は、学生の頃に友達を訪ねて何度か降りた事があるぐらいで、全く知らない街だったのですが、下見に訪れると、ちょっと面白そうな街だぞと感じ、すぐに良い場所が見つかったこともあり、これも運命と即決。お店を出すなら、都心のあくせくした感じよりも、ローカルな雰囲気の中、のんびりとできる空間を作りたいという想いから、公園の近くが良いなと考えていたので、今の場所はまさに理想的でした。

WELDERS DINER外装

Q:お店作りのこだわりを教えてください

石神井公園周辺は土地柄もあってか、ベビーカーで子連れのファミリーが多く見かけます。そういう方でも、お子様に食事をさせながらビールも楽しんでいただきたいという思いがあったので、店内のスペースは広めにとり、ベビーカーでも余裕をもって入れるようなお店を作りました。

実際、ファミリーのお客様も多く、ママ友・パパ友から「あそこのお店はベビーカーでも入れるよ」という話を聞いて来られる方も増えています。特に土日は、未就学や小学校低学年のお子様連れの方も多く、1日数組はそういったファミリーのお客様です。ビールだけだとビール好きな大人しか来ていただけないので、お子様向けのドリンクやお子様ランチもメニューに入れて、お子様連れでも大丈夫な店づくりにしています。

広く開放感のある作りにしたので、最初は道路に面した広い窓に「全面ガラス張りで(外から見えすぎだから)なんとかならない?」というお客様もいらっしゃいましたが、逆にオープンで、誰でも安心して入れるお店になったかなと思っています。そんな店づくりもあってか、クラフトビールがウリのお店でありながら、かなり客層は広いですね。

お父さんはビールで、奥さんとお子様はお茶という事もあるので、時間やメニューにかかわらずチャージはとっていません。平日の夜だと、一人静かに飲まれる方もいらっしゃいますし、ビールを一杯だけという方も、ノンチャージなので気軽に来ていただけると思います。コーヒーも、以前勤めていたビールのお店と並行して、コーヒー豆の焙煎の仕事もしていたこともあったので、こだわりのお店から直接豆を仕入れて、ハンドドリップで淹れています。

WELDERS DINER内装2
WELDERS DINER外装夜
クラフトビールを注ぐ岩下 祐亮さん
WELDERS DINERメニュー看板

Q:お店に欠かせない“音楽”へのこだわりについて

ドラムが子供のころから好きで、小6ぐらいから練習していました。ちゃんとバンドを組んで演奏を始めたのは大学の時です。私が学生の頃はUKロック全盛期だったので、Oasisをはじめイギリスのバンドの曲をよく演奏していました。Oasisから、Paul Weller(The Style Council、The JAM)、The WHO、The Beatles等、UKロックの系譜をどんどん遡っていき、それらのアーティストが影響を受けたR&B/ソウル、ファンク、ジャズなど、幅広い音楽を聴いてきました。後ろの壁に妻が作った『Abbey Road』のオブジェもあるので、熱狂的なビートルズファンだと思われがちなんですが、そういう訳でもありません。大学でも「ビートルズ研究会」に入っていたのですが、他にあった「ロック研究会」がビジュアル系が多くて、自分達はそっちじゃないし、ジャズでもないし、UKロックをやるならココ…という感じでした。どちらかというと、ビートルズはみんな知っているからと、あえて避けていたんですが、研究会に入り、実際に演奏するようになってみて、改めて凄いバンドだなと思うようになったぐらいです。

ロック以外だと、高校生の頃にHIPHOPやレゲエも聴きはじめ、そこからクラブ系の音楽も聴くようになり、HIPHOPのサンプリングネタまで遡っていったので、さらに色んなジャンルに興味が広がることに。ビール業界に入る前に、DJバーで働いていたこともあり、そこではレコードを回しながら、カクテルを作ったりもしてました。そのお店はAORとか昭和歌謡とかも多かったので、さらに80年代の音楽やDJ知識も自然と増えていくことに。そんな感じで聴いてきた幅広い音楽をお店では流しています。

うちのお店にもDJブースを作ったので、時々ふらっとお店に来て「ちょっと回させて」みたいな方もいらっしゃいます。この辺りでこれだけ広いスペースのお店も少なく、コロナ以前は何度かライブやDJイベントも開催していたので、音楽好きなお客様もいらっしゃいます。(3月末から「Burger,Beer&Music」という限定メニューのハンバーガーとDJのイベントを月イチ開催予定)

レコードプレーヤー
壁一面のレコード

Q:店名の「WELDERS」に込められた意味

妻が鉄でオブジェや家具などを作る作家なので、溶接工=WELDERからとりました。「WELDER」には、くっつける・繋げるという意味もあるので、生産者と消費者、人と人か繋がる場所に出来たら良いなという思いも込めて名付けました。妻がアート作品やクラフト作品を作っている事もあって、そういった活動をしている人同士も繋げられたらという意味合いも込められています。

実際、石神井~大泉辺りでは、個人で様々な活動をされている方がSNSを通じて繋がり始め、イベントを一緒に開催したり、コラボしたりといった面白い動きが増えていますね。そういった面白い活動をされている方たちが、自分と同世代の40歳前後の方が多いこともあって、うちのお店をきっかけに、色々やりたいよねと繋がることも多いです。様々なイベントやシェアスペースも運営される『R(アーーーーール)』の深津さんもうちのお客様で、お店でのイベント開催や、R主催のサステナブルマーケットにも参加させていただいています。

お子さまの保育園・幼稚園が一緒で、もともとパパ友だったのが、お互いに面白いことやってるから一緒にやろうよといった感じで繋がることもあるみたいですね。今も石神井エリアの40前後のおじさん達が集まって何かやろうぜ!といった感じでイベントを企画しているところです。(インタビュー後の4月24日、石神井台の銭湯・たつの湯さんの駐車場で「Black Market Vol.1」が開催されました。)

ビートルズの溶接アート
サステナブルマーケット

Q:石神井エリアの魅力について教えてください

以前は吉祥寺に住んでいたこともあって、水と緑豊かな井の頭公園の近くに出店するのも良いかなと考えたんですが、ちょっと人が多すぎでした。群馬出身の自分には、石神井の方が静かでのんびりできて良い感じです。ちょっと地方都市ぽいというか、良い意味で東京らしくない感じが面白いです。東京23区だけどローカルな感じも残っているから、人と人の繋がりもできやすいのではないでしょうか。

この辺りは特に石神井公園の存在が大きいですね。うちのお店でも、公園での散歩帰りや、子供と遊び疲れたからと、お茶やランチに寄ってくれる方が多いです。この辺りは石神井公園を中心にみんなが動いているという感じがあります。やっぱり水辺があるというのは大きいのではないでしょうか。本当に自然に近い感じの公園なので、一般的な街の公園とはちょっと違う感じがします。公園に訪れる人、公園から帰る人が街を行きかうので、特に土日はのんびりした雰囲気が街に漂い、良い感じだなと思います。

石神井公園の街は、歴史あるお店から新しいお店まで、チェーン店ではない、個性的で雰囲気のあるお店が多いと思います。西武線の高架を境に北側と南側で雰囲気の違う街になっているのですが、南側だと、うちのお店からも近い商店街にある、日本酒のラインナップが凄い「粋粋(すいすい)」さんや、その向かいにある「TOUT VA BIEN(トゥバビアン)」というマダムが一人でやられているダイニングバーなどは、自分もお店を閉めた後に時々お邪魔しています。駅の北側の西友のある通りにも、地元の新鮮な野菜や食材にこだわったピッツェリアやお惣菜屋さんなど、こだわりと雰囲気のある良いお店が揃っていますね。そんな個性あるお店、農家をはじめとした生産者、街の住人、公園を訪れる人たちなどがどんどん繋がっていくことで、さらに面白い街になっていく気がしています。

岩下祐亮さん
WELDERS DINERのフードメニュー
WELDERS DINERのフードメニュー2
WELDERS DINERのフードメニュー3
WELDERS DINERのフードメニュー4
WELDERS DINER外装

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